アメーバ型分子ロボット
Amoeba-like molecular robot 


センサーやアクチュエータ、論理回路として機能する生体分子デバイスを組み合わせて、特定の信号分子に反応するアメーバ型分子ロボットを構築しました。このロボットは、本体、アクチュエータ、アクチュエータ制御装置(分子クラッチ)から構成されています。本体は脂質二重膜からなる小胞(人工細胞)で、アクチュエータはタンパク質、キネシン、微小管から構成されています。このロボットに光を照射して分子クラッチをON/OFFし、ロボットの形状変化挙動をON/OFFすることに成功しました。この技術は、複雑で機能的な分子システムを構築するための基盤となる技術です。

Science Robotics, 01 Mar 2017: Vol. 2, Issue 4, aal3735. DOI: https://doi.org10.1126/scirobotics.aal3735

DNAオリガミナノポア
DNA origami nanopore


人工細胞・分子ロボットの機能を発揮させるためには、外部環境からの分子情報の取り込みが不可欠です。ここでは、DNAオリガミ技術をもちいて、断面積100nm2の四角いチューブを用いた膜ナノポアを設計しました。細胞膜を模した巨大ベシクルにナノ細孔で穴をあけ、最大4本のssDNA鎖を添加することで、サイズに応じた分子の選択的な輸送が可能になりました。この技術は人工細胞間の分子通信に応用可能です。

Chemical Communications, 57(24), 2990-2993. DOI: https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2021/cc/d0cc07412h

DNAオリガミナノアーム
DNA origami nanoarm


DNA分子のプログラム性と構造的な柔軟性を利用して、大変形が可能なDNAオリガミナノアームを構築しました。DNAオリガミナノアームは、張力調整可能なモジュールを連続的に繰り返したもので、直線状からアーチ状に大きく変形します。この技術のさまざまなDNAナノデバイスへの応用が期待されます。

Angew. Chem. Int. Ed., 59(15), 6230-6234.
DOI: 
 https://doi.org/10.1002/anie.201916233

Books


川又生吹,鈴木勇輝,村田智著 オーム社 2021年
村田智編,分子ロボティクス研究会著 CBI学会 2019年無料PDF
村田智編,分子ロボティクス研究会著 CBI学会 2016年無料PDF
小宮健,瀧ノ上正浩,田中文昭,浜田省吾,村田 智著 近代科学社 2011年
Satoshi Murata, Haruhisa Kurokawa Springer 2012年 Springer 
村田智,黒河治久 オーム社 2009年
村田智,Springer社 2022年